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【KATEKYO学院】総合型?学校推薦型?一般? タイプを決めて対策を練る必要性



   



文部科学省が発表した「令和4年度国公私立大学入学者選抜実施状況」をもとに作成しました。

全体でみると、大学入試の選抜方法の中でも、総合型選抜(旧AO入試)や学校推薦型選抜での進学者が多いことが分かります。大学進学者のうち13.5%は総合型選抜での進学者で、36.2%が学校推薦型での進学者でした。一般選抜は49.0%と、半数を割っています。特に、私立大においては41.7%が学校推薦型選抜による入学で、総合型選抜の15.7%を合わせると57.4%、およそ6割が学校推薦型選抜と総合型選抜での進学です。一方、一般選抜は4割にとどまっています。

 また公立大でも4人に1人は学校推薦型選抜で進学していることが分かります。







また、注目したいのは「合格率」の数字です。国立・公立・私立のいずれもでも最も高いのが「学校推薦選抜」です。これには「指定校推薦」が含まれることが最大の要因です。特に私立大では総合型選抜と学校推薦型選抜の「合格率」が高くなるため、私立大を希望している場合は、これらで勝負すべきです。

 「総合型選抜」については、基本的に評定平均などの条件を課さないことは従来と同じですが、大学入試改革によって2020年度入試からは、「総合型選抜でも必ず学力試験を課すこと」になったため、難化傾向にあります。なお、この学力試験には「基礎学力テスト」や「小論文」、また「プレゼンテーション」などがあり、いずれも定期考査とは異なりますし、模試などとも異なるため、対策にも手間と時間がかかります



総合型選抜と旧AO入試は別物です。「評定平均が出願条件にないから総合型選抜の方にチャンスがある」と考えている受験生も少なくないようですが、それは大間違いです。確かに総合型選抜は「人物重視」ですが、その「人物評価」には、学力という能力や自分の考えを示す論述・表現力が含まれますし、将来の目標や志望動機などに意欲や熱意なども含まれます。特に志望動機は重要ですが、大学入試における面接では、「志望理由は、・・・・・です。」と回答したら、「では、高校で努力したことは?」などと次の質問に進むわけではありません。面接官はしっかり人物評価をするために、その回答した志望理由について、「それって具体的にどういうこと?」「もう少し詳しく聞かせて」「じゃあ、○○についてはどう考える?」など、次々とそれを掘り下げる質問をしてきます。場合によっては、志望理由についてのみで面接が終わることさえあるくらいです。


一方、学校推薦型の受験の場合ですが、評定平均アップのために3年1学期までは、とにかく定期考査対策です。
下は、評定の決まり方の例です。なお、柏高も常盤もこの方式です。定期考査結果をもとに各学期の成績(=学期平均)が決まり、年間平均も決まります(71点)。これを段階評価に当てはめると「4」になり、これが数学Ⅱの年間評定になります。他教科も同様の計算をし、全教科の平均を求めると、年間の「評定平均」が決まることになります(この生徒の場だと3.9となる)。

学校推薦選抜では、1・2年の年間評定と3年1学期までの評定をさらに平均化した「評定平均」を利用し、それが大学・学部によって「3.8以上」や「4.3以上」などという出願条件を設けています。なお、出願条件が「3.8以上」としている大学・学科を希望していて、自身の評定平均が3.8の場合、条件を満たしているだけのため、アドバンテージはなく、合格は難しいと言わざるを得ないのが実情です。

 学校推薦選抜には、「公募」と「指定校」がありますが、「指定校」は校内選考を通過すれば、ほぼ確実に合格となりますので、志望校が確定しているのであれば「指定校」を目指しましょう。


【年間 評定の求め方】

  

【学年平均→評定への変換】

 


【年間全体での「評点平均」の求め方】

 





最初に受験日を迎えるのが総合型選抜です。出願条件がないため、受験生も少し余裕に構えている様子もあり、受験を決めるのが夏休み直前や、中には9月の出願期になる生徒も少なくありません。たいていの場合、準備が間に合わず、残念な結果となることが多いように感じます。先ほども説明した通り、「ボンヤリとした志望動機」、「専門的な知識がない浅~い主張」が原因です。志望校の「アドミッションポリシー」すら知らないまま受験してしまうケースもあったりしますが、当然の結果と言われれば、それまでです。そして、そうなった場合、学校推薦選抜「公募」に次の可能性を見出すことになると思われますが、それとて対策期間が不十分なため、結果は同じになるケースがほとんどです。

総合型もダメ、学校推薦戦型もダメとなると、最後は一般選抜にかけるしかなくなりますが、それまで学力試験対策はほぼやってきていないわけですから、合格の可能性は最も低くなってしまい、志望校のレベルを下げざるを得なくなってしまいます。

 そうならないためには、総合型か学校推薦型かを問わず、3年1学期中は定期考査対策を徹底することです。3年生になると英語や数学は新しい内容を学習することは少なくなり、1・2年内容の応用をメインとした授業となります。つまり、これは一般選抜の対策にもなりますが、学校推薦型選抜のための評定アップにも寄与しますし、総合型選抜で課されることが多い基礎学力テストの対策にもなります。また、この時期に志望校の学校説明の冊子や要項(1学期中は前年度のものを参考にせざるをえない)を確認し、「志望動機」の原案をイメージしておくことが重要です。