令和5年度新潟県公立高校入試。数学は過去に類を見
ないような超難問が多く出題されました。入試当日は、
午前に国語と数学、午後から英語・社会・理科の試験
が実施されましたが、「数学が難しすぎて解けなかっ
たショックで、昼ご飯を食べる気力がなくなった」と
いう受験生も少なくなかったようです。
しかし、新潟県教育委員会は公立高校入試における問
題作成の意図を「基礎的・基本的な知識が確実に身に
付いているかどうかをみるとともに、知識を活用して、
身近な題材をはじめとする諸資料に基づいて、事象を
多面的・多角的に考察し表現する力をみることをねら
いとして出題した」としています。
ということは、問題のもととなるものが基礎教材であ
る教科書のどこかにあるはずだ!と思い、改めて教科
書を見直してみました。
すると! なんと!! 教科書にちゃんと載っている
ではありませんか!!!
柏刈エリア中学校は現在、数学の教科書は「啓林館」
を採用しています。その巻末に、今回の入試問題で出
題されたものと、ほとんど同じ問題がありました。
※以下、著作権の関係で実物を掲載できませんので、イメー
ジとして掲載しました。お手元に令和5年度入試が掲載さ
れた新聞と数学の教科書をご用意いただければ幸いです。
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まず、数学の大問〔1〕(7)の問題。
円Oの周上に円周を9等分する9つの点(A・B・C・D・
E・F・G・H・I)があり、線分ADと線分BFの交点を
Jとするとき、∠xの大きさを求めなさい。
この問題ですが、中3の数学の教科書巻末にある「実
力をつけよう」という実践問題にほぼ同じものが取り
上げられていました。
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次に、理科の大問〔5〕の問題。
和実さんは、床に垂直な壁にかけた鏡を用いて、自分
の像を観察した。なお、和実さんの全身の長さは154
cm、目の位置は床から142cm、鏡の縦方向の長さは
52cm、鏡の下端の位置は床から90cm、和実さんと
鏡との距離は100cmとする。
このとき、和実さんから見える自分の像として、最も
適当なものをア~エから一つ選びなさい。
この問題も教科書に掲載がありました。ただし、理科
ではありません。実はこちらも中3数学の教科書巻末
にほとんど同じ形式の問題がありました。
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こちらは、新潟県教育委員会が言う出題意図のうち、
「知識を活用して、身近な題材をはじめとする諸資料
に基づいて、事象を多面的・多角的に考察し表現する
力をみることをねらいとして出題した」に該当すると
思われます。
理科と数学を合わせて「理数系」と言われるように、
教科的に比較的近い関係にあります。当然、扱われる
内容に共通する部分が多くなりますから、理科で出題
される可能性のあるものが、必ずしも理科の教科書か
出題されるわけではないことも理解できます。
なお、今回の出題例を受け、数学の教科書の巻末問題
を見直したところ、令和6年度以降の入試で扱われそ
うなものは、以下の通りです。
【1年生の教科書】
「学びをいかそう」の『緊急地震速報』」
「 〃 『少子高齢化している国は?』」
【2年生の教科書】
「学びを生かそう『スタートの位置はどこ?』」
「 〃 『料金が安いのは?』」
【3年生の教科書】
「力をつけよう『相似と図形[7]』」
ぜひ一度、解いておくことをお勧めします。
また、柏刈エリアが採用している教科書以外の教科書
の巻末からも出題されているものがありました。
気になった方は、お気軽にKATEKYO柏崎までお問合
せください。